

白人オーナーとの「南アフリカで優勝するワインを造う!」と言う約束を果たして生まれた同国史上初の黒人生産ワイン。新しく樽熟成(一部10ヶ月)して生まれ変わった果実味豊かなワインです。
南アフリカ産ワイン
ニュービギニング誕生ストーリー
南アフリカ・ケープタウン郊外のパール地区に、白人弁護士アラン・ネルソン氏が、子供の頃からの夢であった葡萄畑とワイナリーを購入し、「ネルソンズ・クリーク」を開いたのは、アパルトヘイト(人種隔離)政策も終焉に近づいた1988年のことでした。
ネルソン氏は、ここで素晴らしいワインを造る為、二つの画期的な改革を行いました。一つは、当時この国で行なわれていた「ドップシステム」(労働者への賃金をワインで支払う習慣)を廃止し(詳しくは「新ソムリエ・瞬のワイン」第1巻第8話・集英社出版・参照)、二つ目は、そこに居た黒人労働者達(当時は農園と農園労働者はセットで一緒に売買されていた)に「みんなが作ったワインで地域の品評会の賞をとることが出来たら何かプレゼントをしよう。」という約束でした。ネルソン氏は「決して売名行為ではなく、労働者にやる気を持たせ、生産性を上げる為にビジネスとして行ったのです。」と当時のことを話しています。
彼らの努力が実り、「ネルソンズ・クリーク」のワインは、それから数年後の1994年から3年連続で、見事品評会で金賞を授賞しました。
そして1997年、ネルソン氏は約束のプレゼントとして彼の労働者16人に9ヘクタールの葡萄畑を与え、労働者達は「ニュービギニングス」(新しい始まり)という協同組合を設立し、自分達のオリジナルワインを造り始めました。更にネルソン氏は、無償で彼らにワイン醸造設備を貸し、「ネルソンズ・クリーク」のワイン醸造家カール・アレン氏による技術指導も無償で行いました。ワインのラベルには、この農園で生まれ育った最長老のスキッパー兄弟が選ばれました。
そして翌年、遂に南アフリカ史上初の黒人生産ワインが誕生し、海外にも輸出されるようになりました。「このワインが売れたお陰で収入も上がり、家具も買えた。しかし、それ以上に自分の仕事に自信と誇りを持つようになった」と彼らは話します。現在彼らは、快くネルソン氏の下で労働者として働きながら、同時にニュービギニングス・ワインのオーナーとしてワイン造りに励んでいます。また更に繁忙期には地域の人々を雇い、新しい雇用も生み出しています。
ニュービギニングスのワインは、単に労働者達にとっての「新しい始まり」ではなく、白人と黒人が協力することによって生まれた「新生南アフリカを象徴するワイン」として国内外で注目を浴びました。彼らが自らの力で勝ち取った「希望」と「自由」がいっぱい詰まったワインをお楽しみ下さい。